村田真のXMLブログ

日本人で唯一W3CのXMLワーキンググループに参加しXMLの標準化プロセスに携わったXMLの生みの親、村田真さんのブログです。

2007年01月 アーカイブ

OOXMLがついにISO/IECに提出された

2006年12月21日に、OOXMLがISO/IECにEcmaからfast trackによって提出された。プロジェクト番号は29500である。

これから、一ヶ月の期間で、OOXMLが既存のISOやIEC規格と矛盾していないかの検討が、JTC1によって行われる。つまり、各国は、矛盾しているという指摘をする機会がある。矛盾しているという結論が出れば、6ヵ月投票は行われない。そうでなければ、6ヵ月投票が始まる。

OOXMLとODFは矛盾しているだろうか? これは、矛盾という言葉をどう解釈するかという問題でもある。無線などのように、方式Aのせいで方式Bがまったく動作しなくなることだけが矛盾であるという解釈もある。もちろん、すでにISO/IEC規格であるODFに、OOXMLは矛盾するという解釈もある。

追記:
JTC 1 fast track submission: Explanatory report on Office Open XML Standard
JTC 1 fast track submission: Licensing conditions that Microsoft offers for Office Open XML

投稿者: 村田 真 日時: 2007.01.03 | | コメント (2) | トラックバック (0)

博士論文のテーマ

候補者の博士論文のテーマは、XPath式を比較して、等価であるかどうか
などの判定をすることである。

具体例を示す。

Q1: /site/regions/*/item[parent::namerica or parent::samerica]
Q2: /site/regions/namerica/item | /site/regions/samerica/item

Q1が返すノードとQ2が返すノードは必ず一致するという判定を、彼の
実装では20ms程度で行う。

スキーマ(DTD)がある場合は、スキーマの制約も考慮して、判定
する。たとえば、SMILのDTDのもとで以下の二つのXPath式を考える。

Q3: smil/head//layout
Q4:: smil/head//layout[ancestor::switch]

Q3が返すノードであってQ4が返さないものが存在するという判定
を、彼の実装は81msで行っている。

博士論文審査のときの資料博士論文ドラフトに詳細がある。

この研究を、あなたはどう評価するだろうか?

投稿者: 村田 真 日時: 2007.01.08 | | コメント (1) | トラックバック (0)

@ITにインタービュー記事が掲載された

@ITからOOXMLのISO/IECでの標準化手続きについて、インタービューを受けた。記事は、ODFとOOXMLが今夏ISOでガチンコ勝負

投稿者: 村田 真 日時: 2007.01.17 | | コメント (0) | トラックバック (0)

SOAPの単純さ?

SOAPの歴史についての素晴らしい読み物がある。Peter Laceyの“The S Stands for Simple”である。山本さんによる素晴らしい翻訳「S はシンプルの S」で、私はこれを知った。広い範囲の人にぜひ読んでほしい。

しかし、“The S Stands for Simple”を「S はシンプルの S」と訳すところを見ると、山本さんはSF好きなのかな?

投稿者: 村田 真 日時: 2007.01.27 | | コメント (3) | トラックバック (1)

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