イベント速報

XMLマスターDAY 2005(2月18日開催)『XMLマスターDAY 2005』 イベントレポート

2005年2月18日に、コクヨホール(東京・品川)で行われた 『XMLマスターDAY 2005』のイベントレポートです。

イベント開催の様子

2005年2月18日、品川コクヨホールにて「XMLマスターDAY 2005」が開催されました。同イベントは、XMLマスター取得者1万名達成とXMLマスターV2試験の発表を記念して開催されたものです。「SOA」「Webサービス」それぞれの分野の第一人者による最新情報の講演とXMLマスターV2試験のバージョンアップに至った背景やV2試験の特長の講演が行われました。約200名の皆様が来場され、大盛況のうちに終了しました。
 

◇ ご挨拶 ◇

XML技術者育成推進委員会 会長
(慶應義塾大学常任理事 兼 W3C Associate Chairperson) 斎藤 信男 氏

斎藤 信男

XML 技術者育成推進委員会の斎藤信男会長(慶應義塾大学常任理事 兼 W3C Associate Chairperson)のご挨拶で「XMLマスターDAY 2005」はスタートしました。斎藤会長からは、XMLマスターの取得者が2004年11月に10,000名を突破したこと、技術者が最も取得したい資格にXMLマスターが選ばれこと、XMLを取り巻く環境の変化に対応したXMLマスターV2試験を歓迎するといった内容を述べられ、メタデータをうまく扱うことのできる「セマンティックウェブ」に触れ、今後のインターネットを支えているのがXMLであり、XMLはこれからさらに重要な技術となってくるので、XMLマスターを通して技術者のスキルアップに一層役立ちたいとのご挨拶がありました。


◇ 特別記念講演 ◇

「XML、SOA・・・そしてその先にあるもの」

XMLコンソーシアム エバンジェリスト(日本アイ・ビー・エム株式会社)
ソフトウェア シニア・テクノロジー・エバンジェリスト 米持 幸寿 氏

米持 幸寿

日本アイ・ビー・エム(株)の米持幸寿氏からは、「XML、SOA・・・そしてその先にあるもの」をテーマに特別記念講演をいただきました。

SOA(Service-Oriented Architecture)の定義を分かりやすく説明し、このサービス指向の考え方は、分散コンピューティングの時代からあったものと述べられていました。そして、なぜ今SOAとして注目されているかについて、企業を取り巻く環境(企業の合併や吸収などよる迅速かつ効率的なシステム統合の実現など)、複雑化するIT環境(企業内における乱立する異機種、異種環境のアプリケーションを独自の方法でつないだこと)、そしてXMLが登場したことの3つを挙げ、SOAによって得ることのできるメリットを分かりやすい例で紹介しました。「SOAPは今までのDCOM、CORBAなどと違い、多くのベンダーでサポートされている。またXMLはSOAをマルチプラットフォームで実現するために最適なデータ構造であり、あらゆるデータ記述にXMLを使うことができる。しかしWebサービス、SOAP+XMLだけがSOAではない。SOAにとって最も大事なものは、WSDLすなわちインターフェースである。」さらに、BPEL(Business Process Execution Language)をオーディオのコンポを例に非常に分かりやすく解説していただきました。SOAに対する理解を深めることのできた講演でした。

◇ XMLマスターDAY アンケートより(抜粋) ◇

  • 「フォーカスすべきはプロトコルではない」という考え方には、少し蒙が啓いた気がします。
  • IBM社での現在の流行している技術や、Webサービスの起源等、非常に参考になりました。
  • SOAとWebサービスの関係が良くわかった。大変分かりやすい発表だった。
  • SOAというものがよく理解できました。
  • SOAと従来のサービス指向型アーキテクチャの違いが初めてクリアになりました。
  • SOAの考え方を理解できた。
  • SOAの考え方をわかりやすく説明していただけて、大変良かったです。
  • SOAの理解が深まりました。
  • WDSL,、SOAP、SOAについて、理解を広げられました。
  • XMLを取りまく環境がうまく説明されていた。
  • 今までSOA=Webサービスと思っていたが、本日のお話でかなり違いが明確になりました。業務に関連した内容で、勉強になった。
  • 現在のBtoB技術に関し、有用でした。
  • 現状がよくわかった。
  • 今後のITビジネスに求められているニーズを再確認することができました。ぜひ、実践してみたいと思う。
  • 最新の技術動向で参考になりました。
  • 様々なバインディング及びWSDLに注目という点が非常に良かったです。
  • 自分の勉強不足もあり、理解できない言葉がいくつかあるが、実践的な話が聞けて良かった。
  • 米持氏の講演からSOAの有用性がわかりました。
  • わかりやすいセッションでよかった。

◇ 講演 ◇

「XMLマスター試験が変わる『XMLマスター V2試験の全容』」

XML技術者育成推進委員会 副会長(インフォテリア株式会社) 平野 洋一郎 氏

平野 洋一郎

XML技術者育成推進委員会の平野洋一郎副会長は、「XMLマスターV2試験の全容」の講演をいたしました。

「XMLマスター試験」が「XMLマスターV2試験」にバージョンアップする背景として、「時代が必要とする技術者の認定」、「実践的なSEの養成」、「真の実力の判定」といったコンセプトを説明。XML技術者育成推進委員会の理事企業内の現場で活躍しているSEを中心にワーキンググループを作り、現場で必要とされているXML技術を何度も論議し、問題を作成したので、骨のあるものに仕上がり、XMLマスターの価値は今まで以上に高いものになると確信していると述べました。そして、「XMLマスター:ベーシック V2試験」、「XMLマスター:プロフェッショナル V2試験」の概要、主な変更点を説明し、実際に各試験のサンプル問題を見ながら、セクション毎の主な特徴、出題傾向についても説明。主な変更点として、「XMLマスター:ベーシック V2試験」は、基礎知識よりも実際にサンプルコーディング、インスタンスを見ながら解く問題の割合が増えたことなど、「XMLマスター:プロフェッショナル V2試験」は、実際のシステム構築技術にフォーカスし、JavaのコードやXSLTスタイルシート、XML Schemaを提示した問題を中心に構成されたことなどを挙げました。また、XMLは数多くの業界や技術、アーキテクチャーで採用され、いまや必要不可欠な技術であることを具体例を示して説明しました。

◇ XMLマスターDAY アンケートより(抜粋) ◇

  • V2移行への背景などわかりやすかった。
  • V2試験の概要を知ることができました。
  • XMLの意義が分かった。データの面で検索の価値が上がるというのは、情報共有の面で重要と思う。
  • XMLの使われ方が増えているという話は面白かったです。
  • XMLの使われ方の概要と、新試験の内容が短時間でまとめられていて役立った。
  • XMLの普及している分野が広がってきたことは、XML技術としては喜ばしいことと思いました。
  • 色々な団体のXML仕様例は大変興味深いものでした。XMLマスターV2試験には是非チャレンジしたいと思います。
  • 具体的に変更内容を聞けたので社内でのアナウンスがしやすくなると思う。
  • これだけでも来たかいがあった。
  • 今後当スクールの受講生にも広く告知していく予定です。
  • 今後の育成には役立ちます。
  • さまざまな業界での取り組み Web上で継続的に紹介希望
  • 試験の概要が良くわかりました。
  • 試験の変更点の解説があり有意義だった。
  • 非常に丁寧な説明だった
  • プロフェッショナルは今でも難しいのでV2はかなりきびしいと思った。
  • もっと試験の内容について聞きたかったです。
  • よく分かりました。
  • より実践的になったV2の試験に興味を持ちました。

◇ 特別記念講演 ◇

「Webサービスの現場」

アマゾン ジャパン株式会社
Amazon Web サービス テクニカルエバンジェリスト 吉松 史彰 氏

吉松 史彰

アマゾン ジャパン(株)の吉松史彰氏からは、「Webサービスの現状」の講演をいただきました。

ビジネスとしての視点からXML、SOA、Webサービスについて講演された米持氏とは対照的に、仕事を終えて、就寝するまでの間(プライベート)にWebサービスを使ってみようという講演内容でした。現在のWebについて、ショッピングサイトのWebページを例に挙げて、現在のWebはほとんどが単なるWebアプリケーションであると説明。そして、実際にWebサービスを利用している米国を中心とするサイトを紹介し、Webサービスを利用することの可能性、楽しさを実例で示しました。吉松氏はWSDLよりSOAP、SOAPよりXML、WSDLよりブラウザのソースを表示する機能を利用することを強調し、遊びながらWebサービスを習得することを勧めていたのが印象的でした。最後にWebサービスは、コンテンツやサービス内容が重要で、HTTPとXMLのスキルがあればよいことや日本には実例がほとんどないので今が実例を提供するチャンスであるということも述べられていました。

◇ XMLマスターDAY アンケートより(抜粋) ◇

  • Webサービスの可能性というものを改めて感じました。
  • あまり固苦しくなくXMLを扱えるヒントをいただけたような気がします。楽しかったです。
  • 面白かったです。
  • 型に捕われず楽しむことの意味が非常に大きいと思えました。
  • 興味深く拝聴できました。最初のたとえ話がユニークで良いと思います。
  • 切り口がちがっておもしろかったです。時間があれば事例を紹介してほしかった。
  • 今後Webサービスを日本内でもしっかりした構築をしていくことが大切だと再認識しました。
  • 写真の例が面白かったです。
  • 前半の講演と対照的な話がおもしろかった。
  • 大変面白かった。Amazon.comについて話してほしかった。
  • 確かに日本でwebサービスと言うと少ないと思う。
  • 楽しいセッションでよかった。
  • トークは楽しめた。インターネットが繋がらなかったのは残念!
  • とても楽しい内容でした。
  • ビジネス以外のXML活用についてわかりやすい話でした。
  • 非常に楽しい講演でした。
  • 目からウロコ的な所がありました。
  • ユニークな例を多く出し、興味深く最後まで聴講できた。
  • 米持さんとは違う視点での話、とても楽しく聞かせていただきました。

◇ XMLマスター1万人目取得者表彰式 ◇

最後に記念すべきXMLマスター取得者第10,000号として、NECネクサソリューションズ(株)の高倉慎吾氏(第一ソリューショングループ 第一システム事業部)がXML技術者育成推進委員会より表彰されました。おめでとうございます。

XMLマスター取得者10,000号取得者

NECネクサソリューションズ株式会社
第一ソリューショングループ 第一システム事業部 高倉 慎吾 様

高倉 慎吾

◇ イベントを終えて ◇

「XMLマスターDAY 2005」は、このように大盛況のうちに終了しました。「SOA」、「Webサービス」において、XMLは重要なポジションにあること、そして、最近良く耳にする「ブログ」、「グリッド」、「リッチクライアント」などでもXMLの技術が使われていることを聞き、XMLがより身近なものとなり、さらに重要かつ必要不可欠な技術となることを認識することができた講演内容でした。そして、今年6月からは「XMLマスターV2試験」がスタートします。ベーシック、プロフェッショナルともに骨のある問題となりますので、実践を経験し、理解を深めることが合格への近道であるように思いました。そして「XMLマスターV2試験」が「XMLマスター」のステータスをより高いものにしてくれる印象を受けました。

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