ここにもXML

リッチクライアント

2005年4月号掲載記事

最近、「リッチクライアント」がソフトウェア業界のキーワードの一つになっています。リッチクライアントの「リッチ」とはブラウザに対しての「リッチ」であり、具体的には次のような点がブラウザよりも「リッチ」です。

(1)操作性の向上

ブラウザの操作性は、HTMLの機能の範囲内に限定されます。何らかの操作を行う場合には、リンクとFORM文で指定する基本的な入力機能しかありません。それに対してリッチクライアントでは、特定の業務に適した操作性を持つことが可能です。
例えば、カーソルキーで自由にフィールドを移動したり、リターンキーで次のフィールドに進むなどといったこともできます。またメニューなどについてもHTMLの制約を受けることなく、自由なユーザーインターフェイスを作ることができます。

(2)パフォーマンスの向上

ブラウザにおける操作では、画面表示の一部だけを更新する場合にも常に全ての画面のデータ(HTML)を取得し、再表示します。
例えば、縦横の一覧表をある列の数字の大きい順に並べ替えようとする時に、「並べ替え」のボタンを押すとします。実行環境がブラウザの場合は、その命令がサーバに伝えられ、サーバ上でHTMLを生成し全画面分のHTMLをサーバから転送して表示します。一方、実行環境がリッチクライアントの場合は、データと表示が分離されているため、データの並べ替えにはサーバとの通信を必要とせず、クライアント側だけで処理をし、画面上で変化のある部分だけを書き換えるためスピードが格段に速くなります。

(3)表現力の向上

ブラウザ上での表現力はHTMLの表現力に制限されます。しかし実際のビジネスにおいては、指定伝票や様式など、細かで正確な表現力を要求されることも珍しくありません。リッチクライアントでは、画面や印刷における微調整を行うことが可能となっているものも多く存在します。これによって既存の伝票などをイメージ通りに再現できます。

昨今、多くのリッチクライアント製品やリッチクライアント技術が提供されていますが、このような機能を実現する裏で、実はXMLが活躍しています。

まず、パフォーマンスの向上においては、多くの製品でサーバとのデータ通信にXMLが使われています。表現とデータを分離してデータ部分だけをXMLでやり取りすることで必要最小限のデータ転送で済ませることができ、またHTMLと違い受け取ったデータを自由に加工することが可能になります。

また、操作性や表現力の向上においても、XMLが活躍しています。例えば、XUL(ズール)というXMLベースの技術では、XMLを使って、リッチなユーザーインターフェイスを実現することができます。また、Macromedia社のFlexなどでは、画面やユーザーインターフェイスそのものの定義をXMLで自由に行うことが可能となっています。

このように、企業情報システムにおける新しいトレンドであるリッチクライアントもXMLが縁の下の力持ちとして活躍しているのです。

インフォテリア株式会社 代表取締役社長 平野 洋一郎

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