ここにもXML

医療情報の交換

2004年8月号掲載記事

MMLとは何ですか?

MML(Medical Markup Language)[1]は、異なる医療機関(電子カルテシステム)の間で、診療データを正しく交換する為に考えられたXML規格で、診療録(カルテ)とその周辺記録を論理的に表現したものです。

異なるデータベース構造を持つ電子カルテが、情報交換の際にはMMLに標準化されたXML文書を使うことによって、診療情報の共有、ベンダーに依存しない長期的なデータ保存を可能にしたものです(メッセージ交換と情報保存)。

1994年に、日本医療情報学会電子カルテ研究会によって最初のアイデアが出され、その後成長を続け2000年にはSGMLからXMLに変更されました。

2002年には医療情報交換のための標準規約HL7の規格の一つであるCDA (Clinical Document Architecture)をラッパーとして採用し、HL7メッセージを使った伝送も可能となりました。バージョンは3.0になっています。

2000年から、開発、著作権管理、教育・啓蒙などの活動を、NP0法人MedXMLコンソーシアム[2]が担当することとなりました。

MMLの普及状況を教えてください。

MMLの特性を生かして、2001年の経済産業省の研究開発プロジェクトで、地域で電子カルテが連携することによって、効率的な連携医療や、患者さんへの情報開示を行うことの出来るシステムが稼動しています。このシステムはドルフィンプロジェクト[3]と呼ばれています。

ドルフィンプロジェクトは、宮崎[4]、熊本[5]で開発された後、2004年に稼動した東京都医師会によるHOTプロジェクト[6]、2005年に稼動予定の京都府、まいこプロジェクト、また、2005年に活動を開始する予定のスーパードルフィンプロジェクト[7]と、拡がりを見せています。

各プロジェクトの内容を教えてください。

◇ドルフィンプロジェクト
地域連携医療を実現する、医療情報連携システムの総称です。2001年の経済産業省の研究開発プロジェクトで開発されました。センターサーバーに患者さんの医療情報口座を設け、診療を受けた医療機関で記録されたデータや、検査センターなどのデータをMML形式で集約します。患者さんが地域のどの医療機関に行っても、センターに統合化されたカルテを使って診療を受けることが出来ます。

◇はにわネット(宮崎)
ドルフィンプロジェクトの一つでセンターは宮崎大学で管理しています。患者アカウント7000、クリニック40、大型医療機関7、検査機関等5が参加しているプロジェクトです。

◇ひご・メド(熊本)
こちらもドルフィンプロジェクトの一つでセンターは熊本大学で管理しています。患者アカウント7000、クリニック13、大型医療機関3、検査機関等3が参加しているプロジェクトです。

◇HOTプロジェクト(東京)
ドルフィンプロジェクトの一つでセンターは東京都医師会で管理しています。2004年4月にスタートし、5年後に600クリニックの接続を目指しています。現在、センター接続可能なMMLインターフェイスを装備した電子カルテを公募中で、10社以上の申し込みが来ています。

◇まいこネット(京都)
ドルフィンプロジェクトの一つで京都行政WAN(疎水ネット)を物理基盤とし、京都府全域をサービスの対象として想定しています。現在、プロジェクト管理のための法人組織立ち上げの準備中。2005年4月サービス開始を目指しています。

◇スーパードルフィンプロジェクト
今後予想される新たな地域プロジェクトの立ち上げの際の経済的な負担を軽減するため、また、稼動した後の経済基盤を確立するために考えられているプロジェクトです。立ち上げ時の地域プロジェクトにデータセンター機能を低予算で貸与し、スモールスタートを可能とする他、地域プロジェクトを論理的に統合し、集まったデータを適切に運用することによって資金を生み出し、地域プロジェクトに還元します。これにより、自立的なセンター運営が可能となります。

今後の展開をお聞かせください。

これらプロジェクトの拡がりに伴って、MMLインターフェイスを装備する電子カルテも増加して来ており、近い将来、データセンターを介した診療情報交換/共有や、ピア・ツー・ピアでの情報交換が可能になると思われます。

参考情報

1) 電子カルテ情報交換規格MML:
http://www.medxml.net/mml30/021115.html

2) MedXMLコンソーシアム:
http://www.medxml.net/

3) ドルフィンプロジェクトホームページ:
http://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/dolphin/

4) はにわネット(宮崎プロジェクト):
http://www.haniwa-net.jp/

5) ひご・メドポータルサイト(熊本プロジェクト):
http://www.higo-med.jp/

6) 東京都医師会地域医療連携プロジェクト(HOTプロジェクト):
http://www.ocean.shinagawa.tokyo.jp/hot/

7) 地域連携医療プロジェクトを統合するスーパーサイト
(Super Dolphin Project):
http://www.seagaia.org/sg2004/manuscript/yoshihara.html

ページトップへ▲

HOMEへ戻る